鮭料理100種 5年で「制覇」村上で「味わい尽くす会」第五回
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第五回 鮭料理 21種
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第五回 御膳のお品書き
前菜・・・サーモンの村上茶瞬燻 鮭の飯寿司 ケークサレリエット はらこクリーム
主菜・・・ 生鮭の生雲丹焼き 鮭の西京味噌焼 鮭コロッケ 鮭親子麹漬黄身揚げ
菊花銀あん 風呂吹大根 鮭味噌のせ鮭と牛のポワレ -
箸休め・・・ めふんバターとバケット 鮭白子粕漬け 尾せんべい
酒びたしと皮のシーザーサラダ
椀物・・・三面鍋 ロシア風スープウハー 鮭節うどん
飯物・・・鮭炊き込みめし
大皿・・・広東風鮭の姿蒸し
甘味・・・銘菓ほっちゃれ -
サーモンの村上茶瞬燻
生鮭の滑らかな弾力味に村上茶の香りを瞬間燻製で纏わせました。味覚を呼び覚ますように舌で味わいます。
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飯寿司GP
食べ慣れた飯寿司が「ブルータスお取り寄せ2014」鮭部門でグランプリを受賞しました。大洋盛の種麹に変わっても、美味しさに変わりはありません。
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ケークサレ
塩味でバターや砂糖を使用しない焼き菓子は、鮭の摺り身を練り込んだ口当たりの良い前菜役や朝食の主役を務めてくれます。
リエット
食中の主菓子は室町期の式正本膳(しきしょうほんぜん)料理では口取肴とも称されます。洋風パテ風の鮭を、はらこやクリームチーズの風味で引き立てました。
はらこクリームチーズ和
はらこを滑らかなチーズの塩味で舌に転がせながらいただく、磯香と牧香との共演の新食感が味わえます。
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生鮭の生雲丹焼き
ねっとりとした生雲丹の芳醇な礒臭を生鮭の弾力ある身に乗せ、あっさりと炙り焼きにした礒香の共演でいただきます。
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西京味噌焼き
熟成の旨味が効いた繊細な西京味噌で漬け焼きした川魚は、しっとりとした上品さが醸し出されて箸を待っているかに香り立ちます。
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鮭ゆかしコロッケ
鮭の繁忙期に女将が家族にこしらえた懐かしいコロッケを、ほくほくとした芋の優しさを生かし客人にも喜ばれる逸品として再現されました。
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鮭親子麹漬け
生鮭とはらこを手桶底に浅く米麹と綿布で包み一晩漬け込みます。熟成して濃厚で親密になった旨味だけが口に届いてくれます。
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黄身揚げ菊花銀あん
鮭の身に黄身衣を纏わせて、揚げ物に仕立てます。菊花入りの美味しい餡がけで味わいます。
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風呂吹大根鮭味噌のせ
あっさりと炊いた風呂吹き大根を鮭を練りこんだ越後味噌でいただきます。ほろほろとした食感に、鮭の旨味を溶き合わせながら味わいます。
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鮭と村上牛ポワレ
ソテーした鮭と蒸し焼きにした村上牛を一緒に食して、それぞれに美味しい脂の共演を楽しみます。
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めふんバターとバケット
メフンの塩辛が無塩バターに溶け込んで、円やかなビロード食感の舌触りで広がります。バケットも磯香を乗せた食欲を誘う珍味になりました。
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白子大吟粕漬け
新鮮な白子を大吟醸の酒粕でしっとりと濃厚な旨味に仕立てました。滋味豊かな味わいは、噛むほどに口に解けてゆきます。
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尾せんべい
塩引きの尾の部分は身が引き締まったままにゆっくりと熟成してゆきます。輪切りにして軽く揚げるとこりこりと香ばしく、捨てない文化の象徴的佳肴となります。
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酒びたしと皮シーザーサラダ
熟成を極めた酒びたしと皮を炙って礒香を引き出し、新鮮なサラダに乗せてチーズとのコクを競わせながら味わいます。皮はぜいたくなクルトンの趣です。
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三面鍋
北越後の風土に育まれた野菜達と三面川の象徴である鮭とを一堂に介して、大自然の一膳を鍋で大らかにいただきます。
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ロシア風スープ・ウハー
ロシアの鮭川であるアムール大河流域では、魚を香草で煮込むスープはウハー(Yxa)と呼ばれています。鮭や蝶鮫を具に用いたものは、君主を示すツァーリ風とされています。
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鮭節うどん
南海名産の鰹節の製法でこしらえた北海の鮭節は、しっとり柔らかい風味ながらあっさりとした喉越しでいただけます。
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鮭炊込みめし
鮭の脂と香りが程よく染み込んだ炊き込みめしは、何度でも何杯でもいただける飽きない滋味深さがあります。
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広東風鮭の姿蒸し
中華の川魚料理に清蒸鮮(ちぇんちぇんしんゆう)という、広東風のあっさりながら豪快な姿蒸しがあります。ここでは日本酒で酒蒸した川鮭に、熱したごま油をかけて仕立てました。
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越後村上うおやの「鮭の飯寿司」もメニューに加わりました!!
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村上「味わい尽くす会」5年目(最終回)
[鮭の郷土料理] と[捨てない伝統]を育んできた気候風土とひとびと本会は「鮭の町」を自称する村上にあって、秋風とともにひたひたと押し寄せてくる寒流に乗って溯って来る鮭を渾身の技で調理し、歓喜を以て食べ尽くす会です。
しかしその背景には、産物の元である山河あり、豊かな養分をもたらす森林樹木あり、それを育み生産する営みがあり、その恵みを敬う人の心があります。それらを「山」、「川」、「森・樹木」、「漁・増殖」、「神社・営みへの感謝」の五つのテーマで恩恵を噛みしめながら食しています。
今回百選達成編の五回目「神社」では川守や川漁師の安全な豊漁を願うとともに、この恵みを相互感謝した後には永代に渡るまでの継承を祈願して完結に代えたいと思います。
‥‥主催者のひとりごと。
中村直人 -
鮭料理100選堪能 新潟日報
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村上 鮭味わう会5年かけ最終回
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5年かけ最後の21種は現代風に三面川鮭御膳食べ尽くし いわふね新聞
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5年かけ最後の21種は現代風に三面川鮭御膳食べ尽くし
「三面川の鮭料理は100種類ある」という伝承を再現し、毎年20種ほどずつを5回に分けて堪能する「三面の鮭御膳百種を味わい尽くす会」の最終5回目の会が11月22日、村上市寺町にある割烹吉源で開かれ、約50人が現代風のアレンジも加えた最後の21品に舌鼓を打った。
「三面の鮭文化伝承の会」(赤羽正春・中村直人両代表)が吉源の協力で実施してきたもので、伝承を語る文献などの存在が確認されていないことから、伝統を踏まえた上で現代の嗜好に合わせた品書きを作成。これまで塩引きや川煮、めふん、しょうゆはらこなどのおなじみの料理のほかにも洋風のメニューなども加えて堤供してきた。同日は生鮮の生うに焼きや西京みそ焼き、鮭と村上牛ポワレ、ロシア風スープウハー、広東風鮭の姿蒸しなどがテーブルに載り、参加者たちは大洋酒造の清酒とともに、顔を赤らめながら味わった。
村ヒ市藤沢出身の高橋圭三さん(三八)=聖龍町在住=は「やはり普段食べる鮭とは違う。鮭に一番合う村上の地酒も堪能できて幸せ」とほろ酔いで話していた。
中村代表(五七)は「これまでのメニューを村上全体で受け継いでいってもらいたい」と語っている。 -
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鮭料理百選TOP 第一回 第二回 第三回 第四回 第五回 達成
鮭の食文化を後世に残そうと、5年間で1OO種類の鮭料理を食べる企画「三面の鮭御膳百選を味わい尽くす会」の最終回が先週、村上市寺町の割烹吉源で開かれた。参加者は趣向を凝らした料理の数々を楽しみ、全5回の達成を喜んだ。
市民有志でつくる「三面の鮭文化伝承の会」の主催。村上には1OO種類のサケ料理があると語り継がれており、現代に再現しようと2010年に始めた。毎年、頭から尾まであらゆる部位を使い、伝統料理だけでなく洋風や中華風のオリジナル料理にも挑戦してきた。
最終回には市民ら約40人が参加した。なれずしの飯寿司や、麹漬け、白子のかす漬けのほか、ケークサレ(塩味のケーキ)、ロシア風スープ、中華料理の広東風姿蒸しなど全21品がテーブルに並んだ。
伝承の会の赤羽正春会長(62)は「とうとう最後を迎え感無量。鮭を食べ尽くす文化は一つの儀礼であり、残っていることに価値がある」とあいさつ。村上市肴町の吉川準一さん(27)、全5回に参加した8人に達成証が贈られた。吉川さんは「1匹の鮭が調理法によって別物といっていいくらい、いろいろと変化し新鮮な驚きがあった」と振り返る。多彩なメニュー作りに奮闘してきた吉源の吉田昭一郎社長(61)は「楽しかったが苦労も多かった。多少は驚きがあった方が面白いと思い、心を砕きながら作ってきた」とほっとした様子で語った。5年間に提供された料理は来年、冊子にまとめる予定。企画の呼び掛け人で主催者の一人、村上市新町の中村直人さん(57)は「仲間の協力があってやり遂げることができた。来年以降は参加者のアンケートなどを基に考えていきたい」と話した。